鹿児島で陶芸やってます。ときどきデザインの仕事もしてます。
by しきこ
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質問 3
2006年 07月 30日 *
【質問】

言葉尻というか、語尾の使い方が分からないのがありますので質問させてください。

①「♪夏は来ぬ」とかで使われる、「ぬ」は、例えば「落ちぬ」であれば、「落ちる」ということですが、「落ちない」の意味で使いたい場合 「落ちぬ」としたら、どうなるんでしょうか?

②例えば、「美しからむ」の「からむ」、 「積たる」の「たる」 などのように、現在 私たちがあまり使わないところの言い回しというのは、たくさんの歌に触れることによって 身についていくものなんでしょうか?
それとも、覚え方というものがあるのでしょうか?

③例えば、最後の言葉(七)を 「~届く」で 意味は通じるのに、「~届くも」というように、「も」を付けるとどのような効果があるのでしょうか?

上の三つの言葉の使い方というか、どういう時に使っていいのか、分からないのですが、これは やはり 長い間 俳句・短歌に親しんでいくことにより、自然に使えるようになるんでしょうか?

 
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【答え】

①「来ぬ」という動詞の現在完了形は、現代日本語ではつかわれていない古典の文語(書き言葉)用法です。「落ちぬ」も同様だと考えてください。否定形は「来ず(こず)」「落ちず」となります。
現代では、ふだん目にしたり耳にしたりすることはありませんので、現在完了形というのは、感覚的にわかりにくいものかもしれません。

また、書かれた時代や前後の文章のながれによっても、その解釈にちがいがでます。
たとえば、『宵待草』の歌詞「待てどくらせどこぬひと」は発音もちがいますが否定形ですし、「鳴かぬなら」の場合も否定形として「ぬ」がつかわれています。

これらについては、学校や専門書などで勉強する以外では、数多くの作品にふれることで、経験的におぼえていくのがいちばんの方法といえるでしょうか。
(なお、「来」は、唯一のカ行変格活用動詞で特殊な存在)


②古語の言い回しについても、上記とおなじことがいえるのではないかと思います。とにかくたくさんの作品にふれることです。


③「も」は終助詞で、詠嘆をあらわします。詠嘆とは、感動している状態を伝えたり、歌の余韻をのこすなどの役目をします。これをつけると、つけないとでは、“気分”がかわるわけです。


言葉の言い回しに文語や古典の用法を取りいれることで、句や歌に深みのようなものが生まれるのはたしかですが、じぶんの身につくまでは、「じぶんの言葉」でつくっていくことがだいじだなのではないでしょうか。
そこにこそ、そのひとが詠う意味があるのではないかと思います。


            ↑ この4行 大事だからね!  by しきこ
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by shikikobo | 2006-07-30 17:27 | 【短歌・俳句の質問】 | Comments(17) *
Commented by ワイン at 2006-07-30 23:39 x
さえら先生 
シキコさんの質問を読んで、回答の文字が膨大な数になりはしないかと、心配していたのですが、また『凄い』の出番です。
ありがとうございました。
それでは、教えていただいた全てのことを取り入れるべく・・・・
ウソです^^
『じぶんの身につくまでは、「じぶんの言葉」でつくっていくことがだいじなのでは』のみをふまえて^^

朝露で 競いし技術 蜘蛛の糸        ワイン

じゃまくさい蜘蛛の糸、朝のわずかな時間だけ、目を見張る事があります。
つまらない印象になるのは、また「説明的」なせいですよね。
朝のすがすがしい風や空気を感じて欲しいのに・・・。
なかなかです。でも、楽しんでいます^^
よろしくお願いします。
Commented by ワイン at 2006-07-31 00:26 x
また戻ってきました^^
さえら先生の夢ならいいのですが、このままだと「蜘蛛の糸」の夢をみそうなので。

朝露で できばえ競う 蜘蛛の糸       ワイン

う~ん 見そうです「蜘蛛」の夢^^;
Commented by kumikumi50 at 2006-07-31 00:42 x
ワインちゃん、自習しましょうか?
Commented by kumikumi50 at 2006-07-31 00:44 x
朝露に、では?
Commented by わいん at 2006-07-31 07:11 x
おはようございます^^
蜘蛛の糸が、朝露を借りる朝は、すがすがしいけれど、『風』は吹いてはいませんね。

>久美さん ありがとうございます。
そうなんです!!朝露「で」のここに入れる文字、迷いに迷いました。
情けないのですが、ここに一番時間をかけたかもしれません。
五十音順に入れてみたり^^;(嘘ですけれど、これに近い作業をしました。)
「朝露」をかりて、その美しさを増す様を詠みたかったのですけれど。
Commented by saelas at 2006-07-31 07:36
♪ ワインさんへ
いままで「じゃまくさい」と思っていた「蜘蛛の糸」にもそうした
視線をそそいであげられるようになったことは、すてきですね。

それでは、レシピです。
はじめの句と二番目の句とは、中七がちがうだけですが、推敲した
時間のぶん洗練されたのではないでしょうか。とくに、はじめの句
の「技術」という言葉は、この場合、かたさがでてしまい、句全体
の印象と調和していない感じがしましたが、二番目の句ではとても
自然な印象になっています。
それから、「朝露で」か「朝露に」なのかについては、ワインさん
の「『朝露』をかりて〜」という思いをあらわすには、あとにつづ
く中七・下五へのながれからみて、やはり「朝露で」のほうがいい
ように思えます。(久美さん、ありがとうございました)

▼つづきます
Commented by saelas at 2006-07-31 07:36
それをふまえ、ワインさんが注目した「蜘蛛の糸」を主役にしたら
どうなるでしょうか。そう考えて、わたしは、つぎのように詠んで
みました。

  蜘蛛の糸 朝露を着て 技の冴え

みごとな蜘蛛の糸の造型が、朝露に飾られることで、いっそう目を
ひくものになったようす、「冴え」という言葉には朝のさわやかな
空気感をかさねてみましたが、いかがでしょうか。

                           さえら
Commented by shikikobo at 2006-07-31 08:04
おはようございます。 皆さん 早いですねぇー。
このワインちゃんの 俳句 分かります。朝露を浴びて 光るんですよね。

「朝露を着て」なんだよ。この「着て」が 浮かばない・・・。さすが 先生。
Commented by ワイン at 2006-07-31 08:11 x
>さえら先生へ
「いかがでしょうか」もなにも・・・・
私の詠みたかった風景そのものになりました。
定番の『凄い』も意味を成さなくなったくらいです^^
感激の気持ちをどう伝えていいのか、いいですよね、「凄い」で^^

さえら編 手に入れたい 国語辞典        ワイン

Commented by ビオラ at 2006-07-31 08:18 x
ワインちゃんさま。
ワインさんの句も好きだな。”できばえ競う”というとこ。
主役は上5に持ってきたほうがいいんでしょうか?

芥川龍之介の”蜘蛛の糸”を思い出しました。
蓮の花でも句ができそう・・かな。
Commented by saelas at 2006-07-31 08:34
♪ ビオラさんへ
主役は上五にもってくるという規則はありません。
たとえば「技の冴え朝露を着し蜘蛛の糸」などとすることもできる
のですが、今回は、自然な感じをだいじにしてみました。

                           さえら
Commented by shikikobo at 2006-07-31 08:41
さえら先生へ・・・・

♪ はかれない 心の広さを はかりたい    (しきこ)

Commented by kumikumi50 at 2006-07-31 09:06 x
撃沈!旅にでます・・・。みなさん、お元気でーー。
Commented by ビオラ at 2006-07-31 09:16 x
>さえらセンセイ
はい、わかりました。なんと言っていいか言葉がみつかりませんが
”その時の感じ”みたいなものを大事にしたいと思います。
Commented by saelas at 2006-07-31 09:26
♪ しきこさんへ

  われ知らず 心の広さ はかれるや   (さえら)
Commented by saelas at 2006-07-31 09:27
♪ 久美さんへ
そんな「撃沈!」だなんて…
わたしは、ワインさんから久美さんへのコメントも拝見したうえで
レシピを書いていますから、検討材料の量がちがっています。
ですから、読み手として、おのずと句のとらえ方にちがいがでるの
です。久美さんが、ワインさんの句を目にした時点では、「朝露に」
とする考え方もあっていいわけですから、旅にでる必要などないと
思いますが… (もしも、ただのヴァカンスでしたら、引き止めた
りはしませんけれども… ^^)
Commented by kumikumi50 at 2006-08-01 14:01
バカンスです。日帰りですが・・・。